迎え火キャンドルナイト&コンサート(大安寺/むつ市大畑町)

2010.08.17,7:38 by 中里 和摩/カテゴリー:イベント

小さい頃、大人たちから「お盆にはご先祖様たちが帰ってくるんだよ」と教えられ、不思議に思ったのを覚えています。
亡くなった人たちが、帰ってくる?
家の中が、幽霊でいっぱいになる?
怖くないの? と。

しかし、大人たちが恭しくお迎えの準備をするのを眺めて、よくはわからないながらも、敬虔な気持ちになりました。その日の暑い晩は、肌で感じる空気までいつもと違うような気さえしました。

そして2010年8月13日、三日月のそばに宵の明星が輝いた夜。
むつ市大畑町の曹洞宗 円祥山大安寺にて「迎え火キャンドルナイト&コンサート」が催されました。

大安寺

今回の行事を企画なさった理由を、主催・大安寺の俊成さんが語られていました。

大畑町には、送り火の行事はあったが、迎え火はなかったそうです。
また、お寺に来られる方も、墓地と位牌堂に立ち寄るだけで、すぐに帰ってしまうという。もっと地域の方々がお寺にて長い時間を過ごされるよう、何かできないかと考えたのだそうです。

そこで今回の、迎え火とコンサートを併せた行事が生まれました。

準備はまだ明るいうちから行われていました。多くのボランティアさんたちが協力していました。大安寺がいかに地域から愛されているかがわかります。

ボランティアによる準備

ひとつひとつ、亡き方々への思いをこめたキャンドルが並べられていきます。

迎え火キャンドル

迎え火キャンドル

そして空が赤く染まりだした頃、いよいよ点火です。

迎え火キャンドルに点火

徐々に伸びだす影。

石段と迎え火キャンドル

境内と迎え火キャンドル

大きな杉の木

杉の木も見守ってくれています。
石段そばのこの古い大樹は、樹齢370年。写真では収まりきらない大きさ。一度、仰ぎ見ることをお勧めします。後ろにひっくり返ってしまわないよう注意です。

迎え火キャンドル

夕暮れのお寺の心地よいほの暗さ。小さなキャンドルの力強い輝き。
刻々と時間は流れ、18時、いよいよ始まります。

挨拶の様子

集まってくださった方々への感謝と、今回の企画についての思いを語られる俊成さん。迎え火の行事は2年目ですが、コンサートを併せるのは初めてなのだそうです。新しいことを始めることの大変な苦労が伺えました。

二胡とシンセサイザーの演奏

そして、いよいよ演奏の開始。
(左)阿部かなえ氏/二胡
二胡を楊興新(Yang Xing Xin)氏に師事。
楊興新胡弓教室(東京 現・日本二胡音楽院)講師(2000年)。
NHK文化センター(青森・弘前)講師(2001年)。
2000年より、東北で初めての二胡教室を青森県で開設。

(右)田中とおる氏/シンセサイザー
1964年生まれ。6才よりピアノを始める。高校時代よりバンド活動。
現在は和洋楽コラボユニット、白神などに参加。
(おふたりのプロフィールは、大安寺ホームページより引用させていただきました。俊成さん、ご協力ありがとうございます)

二胡とシンセサイザーの演奏

【曲目】
1、『二泉映月』(二胡)
「二泉」とは、世界で二番目に美しい泉という意味です。一番とはいわないところが奥ゆかしい。奥ゆかしさがありながらも、やはりその美しさを惜しみ「二泉」という表現になったのでしょうか?
泉にゆらゆらと映る月の情景が目に浮かびました。

2、『月まんどろに』(二胡、シンセサイザー)
「月がとてもとてもとーーーっても明るい」という意味です。「まんどろ」とは「万燈籠」が訛ったことばといわれ、文字通り、一万の燈籠が照らしているほどに明るいという意味です。
時を忘れて、まんどろなお月様を眺めていたいものです。

3、『雨の南郷村』(シンセサイザー)
田中とおる氏の作曲です。
南郷村とは、青森県三戸郡にあった村です(2005年に八戸市と合併)。
「雨の」とはいっても、鬱々とした曲調ではありません。カラカラに乾いた地面を黒く潤し、木々の緑の葉を濡らしてきらめかせる。そんな雨の喜びを、曲の中から感じとることができました。

4、『空山鳥語』(二胡)
山の連なりを眺めながら飛ぶ鳥が鳴いている情景の曲です。自らが空で自由に戯れる鳥になったような、そんな気分を味わえました。
驚いたのは、二胡の響きが鳥の鳴き声を表現するのです。チュンチュンと、かわいらしく。二胡という楽器の面白さを知りました。

5、『賽馬』
「賽馬」とは、今でいう競馬のこと。草原を駈ける馬たちの息づかいが聴こえてくるような曲です。
楽しくて、のびやか。馬の躍動感と騎手の焦り。追い越し追い越されする展開が感じとれました。素人が聴いてもそうだとわかる曲調なのが凄いところ。
この曲でも、馬のいななきを二胡で奏でてくださいました。

6、『The Milky Way』(シンセサイザー)
「The Milky Way」とは銀河のこと。シンセサイザーの音の響きが、ひとつひとつの星の瞬きのように感じられます。
この壮大さに、自分が宇宙の一部なのだということを改めて考えさせられました。そしてどこか涼やかな音色。暑い盆の晩に聴くにはぴったりの曲でした。

・・・二胡とシンセサイザーの演奏に聴き惚れているうちに、時間はあっという間に過ぎてしまいました。
お寺の外はすっかり闇に包まれ、その中で、キャンドルの導くような輝きが煌々としています。

演奏の余韻に浸りながら境内に出てみました。

迎え火キャンドル

迎え火キャンドル

迎え火キャンドル

迎え火キャンドル

迎え火キャンドル

迎え火キャンドル

購入したキャンドルは、持ち帰ることができます。

迎え火キャンドル

迎え火キャンドル

きっとご先祖様も、迷うことなく大畑町にたどり着けたことでしょう。迎え火と、ご先祖様を敬う心の灯りが輝いていましたから。

心が洗われる写真と文章に感動しました。
是非行って、実際に身体全体でその空気を感じたいです。

posted by えり , at 2012.07.12 09:55

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